障害者差別解消法基本方針改訂パブリックコメントへの意見提出
障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(改定案)に関する意見提出
現在、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(以下「基本方針」という。)については、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号)に基づき政府が定めることとされています。
この度、事業者による合理的配慮の提供の義務化等を改正内容とする、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の一部を改正する法律(令和3年法律第56号)が公布されたことから、内閣府より、その円滑な施行に向けて基本方針の改定案に関する意見が募集されました。
障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(改定案)に関する意見募集について
日本DAISYコンソーシアムは、下記の意見を提出しました。
パブリックコメントへの意見
2023年1月13日提出
日本DAISYコンソーシアム技術委員会
該当箇所
パブリックコメントの資料提供方法
意見
フラットテキスト、ルビなしPDF、ルビありPDFの三つの形式で文書が公開されています。この方法は以下の国のガイドライン文書と合っていません。
- デジタル庁のウェブアクセシビリティ導入ガイドブック
https://www.digital.go.jp/resources/introduction-to-web-accessibility-guidebook/
- 総務省のみんなの公共サイト運用ガイドライン
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/b_free/guideline.html
- JIS X 8341-3:2016
PDFは原則禁止されており、特別な対応をしたときだけ許されるというのが、これらの文書の正しい解釈だと思います。デジタル庁のガイドブックで、「PDF の構造化」のところ、総務省のガイドラインで「PDFを提供する場合にどのようなことに注意したら良いか」のところをご覧ください。
- フラットテキスト
フラットテキストを勧めているところはガイドラインのどこにもありません。それどころか、JIS X 8341-3:2016にある「2.4 ナビゲーション可能のガイドライン」を満たすことはフラットテキストでは困難です。特に、「2.4.6 見出し及びラベルの達成基準」、「2.4.8 現在位置の達成基準」は不可能です。
- ルビ
漢字を苦手とする弱視者や発達性ディスレクシアはルビを必要としますが、普通のルビでは読めないことがあります。対策として縦長かつ大きめのルビを使う、ルビの色を変える、ルビと親文字の距離を離す等が行われます。ルビ付きPDFはこうした工夫ができないため漢字を苦手とする弱視者や発達性ディスレクシアの切り捨てになっています。
- HTMLとEPUB
上述のガイドラインは、JIS X 8341-3:2016に準拠したHTML文書を推奨しています。また、電子書籍EPUBのアクセシビリティのためにJIS X 23761:2022が令和4年に制定されています。これに準拠したEPUB書籍もよい方法です。この両者を用いて情報を公開すべきだと思います。