インクルーシブ・パブリッシング・ニュースレター2024年11月号
2024-12-06 11:55:46
DAISYコンソーシアムが運営するInclusive Publishingウェブサイト11月ニュースレターの翻訳を掲載します。
2024年11月ニュースレター
アクセシブルな出版に関する最新ニュースをお届けするインクルーシブ・パブリッシング・ニュースレター11月号へようこそ。 皆様と共有したい情報や、この定期ニュースレターをより皆様のお役に立てるものにするためのご意見をお待ちしております。
アクセシビリティの実践に関するウェビナー
来週11月27日には、ヨーロッパ障害者の日を記念して、ヨーロッパ各地からのメッセージを共有するウェビナーを開催いたします。 支援技術を使用してどのように読書を行っているか、電子書籍の作成におけるちょっとした配慮がどのような違いを生み出すか、また、デジタル出版におけるアクセシビリティの最近の革新がすでにどのような影響をもたらしているかについて学びます。
アクセシビリティの実践に関するウェビナーを無料でご覧いただけます。
ADA(米国障害者差別禁止法)第2条:新しい法規制はあなたにどのような影響を与えるか?
アクセシビリティに関する法律をめぐる多くの議論が交わされている今年、出版業界も2024年4月に発表された米国の新しいADA法第2条の規定について認識しておくべきでしょう。このADA法第2条の概要記事では、この法律に関連するいくつかのポイントを考察し、読者の参考になりそうな追加のリソースも紹介しています。
DAISYツールを使用していますか?
あなたやあなたのチームはDAISYツールを日頃から使用していますか?デジタルコンテンツのアクセシビリティを向上させる取り組みを進める上で、DAISYツールがなければどのように対応しますか?欧州アクセシビリティ法(European Accessibility Act、EAA)への対応をどのように準備しますか?
これらのツールは皆さんの作業に不可欠であり、その開発と維持には皆さんの支援が必要です。これらのリソースの将来を確かなものにするために、今日、寄付を行うことができます。
リーディングソリューション:EAAウェビナーのカウントダウン概要
EAAの新しいDAISYシリーズの月例ウェビナーでは、10月23日にリーディングソリューションのアクセシビリティを向上させるための革新を探求するセッションが行われました。 さまざまな異なるプラットフォームでアクセシブルな電子書籍を確実に読めるようにすること、コンテンツの表示をカスタマイズすること、そして多様な支援技術の利用をサポートすることは、簡単な作業ではありません。私たちのリーディングソリューションウェビナーの概要では、イベントの録画とリソース一式をすべてご覧いただけます。
APACEスキル分析レポートが公開されました
2024年1月に開始されたAPACEプロジェクトは、アクセシビリティの分野における欧州の出版業界のスキルを向上させ、現在のスキルギャップを縮小し、次世代のエキスパートの育成に貢献することを目的としています。最初の活動のひとつとしてスキル分析レポートが作成され、現在、より広範囲にわたる完全版レポートが公開されています。この予備活動の結果により、プロジェクトの次の段階の活動の詳細な定義が可能となり、強化と成長に向けた方向性が示されます。
このレポートには、DAISYのRichard Orme氏やAvneesh Singh氏など、この分野の主要人物への興味深いインタビューが多数含まれています。
InDesign 2025がリリースされました
InDesignを使用してEPUBを作成している場合は、Creative Cloudアプリをチェックして、リリースされたばかりのInDesign 20.0にアップデートしてください。InDesignエキスパートグループの作業により、この1年でEPUB書き出しのアクセシビリティが次々と改善されてきました。この最新のInDesignアップデートに関する記事では、これまでの進捗状況が紹介されています。
今後のイベント
以下のイベントに関する情報は、インクルーシブ・パブリッシング・イベントページに掲載されています。また、年内のイベントの詳細も掲載されています
11月
EAAカウントダウン・ウェビナーシリーズ:アクセシビリティの実践 - オンライン
このウェビナーは、ヨーロッパの障害者の日と合わせて企画されたもので、ヨーロッパ各地の人々からのメッセージが共有されます。支援技術を使用してどのように読書が行われているか、電子書籍の作成におけるちょっとした配慮がどのような違いを生み出すか、また、デジタル出版における最近のアクセシビリティの革新がすでにどのような影響をもたらしているかについて学びます。
BIC ブランチ:デジタル書籍の代替テキスト - オンライン
11月のBIC EAAシリーズのオンラインセッションでは、デジタルブックの代替テキストに関するアクセシビリティ要件について、専門家の講演を聞くことができます。代替テキストとは何か、その目的、なぜ重要なのか、どのように行うか、どのように行わないか、避けるべき一般的な落とし穴など。
12月
APACE: 公共図書館および大学図書館向けデジタル貸出プラットフォームのアクセシビリティに関する専門家への質問 - オンライン
このイベントでは、デジタル貸出に重点を置く公共図書館、大学図書館、学校図書館のイタリアにおける先駆的なネットワークであるMLOL(MediaLibraryOnLine)のプロジェクトマネージャー兼トレーニングマネージャーを務めるFrancesco Pandini氏とつながる機会を提供します。Pandini氏は、寄せられた質問に回答する予定で、参加者は、すべての図書館利用者に優れたサービスを提供できるよう、アクセシビリティの現状に関する洞察を得て、理解を深めるというユニークな機会を獲得できます。
アクセシビリティ:デジタル出版がすべての人々の読書体験を向上させる方法 - メキシコ、グアダラハラ
マラケシュ条約から欧州アクセシビリティ法まで、アクセシブルな書籍に対する法的要請は高まる一方です。国際出版社協会(IPA)の会議で行われるこのセッションでは、出版社が単なるコンプライアンスの枠を超え、アクセシビリティを重視したワークフローを活用して、すべての読者にとってより良い書籍を制作する方法について検討します。
2024年米国デジタルアクセシビリティ法の最新情報 - オンライン
2024年米国デジタルアクセシビリティ法の最新情報では、米国で起こっていることについての最新情報を、誰もが理解できる平易な言葉で解説します。この最新情報は、障害者の権利擁護で著名な弁護士、Lainey Feingold氏により提供されます。
1月
EAAカウントダウン・ウェビナーシリーズ:アクセシビリティ・メタデータ - オンライン
このウェビナーでは、アクセシブルなメタデータに関する最新情報とベストプラクティスに焦点を当て、これまでの進歩と今後の課題について紹介します。
リンクと記事
インクルーシブ・パブリッシング・コミュニティの皆様に興味をお持ちいただけると思われるリンクの一覧を以下にまとめました。
- デジタルアクセシビリティに対する意識 2024年調査報告書、AbilityNet
- EAAとアクセシビリティに関する声明、ASPIREの概要、Huw Alexander氏(TextBOX Digital)
- 2024年ABC国際エクセレンス・アワードの最終候補者発表
- Taylor and Francis:出版におけるアクセシビリティの向上
- InDesignからアクセシブルなEPUBへ Marianne Gulstad氏
- 書籍はすべての人々のために:アクセシブルな出版基準についてLettie Conrad氏(Publishers Weekly誌)
- 視覚障害のある学生にも化学をアクセシブルにする新しいツール、 Brandi Vesco氏
- 装飾的な画像を識別し、アクセシビリティを向上させる方法 、Amber Qualm氏(A11y Collective)
- アクセスを妨げる障壁はペイウォールだけではない:公平なアクセスにはアクセシビリティが不可欠 , Todd Carpenter氏(The Scholarly Kitchen)
アクセシビリティに関するトップ・ヒント:
コンテンツを閲覧プラットフォームに提出する際、楽天KoboのWendy Reid氏は、出版社は以下の点に留意すべきだと助言しています。
- epubcheckおよびDAISYのAceでコンテンツをテストする
- さまざまな画面サイズでコンテンツをチェックする
- 柔軟性を考慮したデザインにする
- 書籍の各部分ごとにファイルを分ける
- 画像のサイズを適切にする
- 特殊文字や特殊な文字セットにはフォントを埋め込む
- ファイル名に非ASCII文字を使用しない
- EPUB 3ファイルを提出する
このチェックリストは、DAISYのウェブセミナー「リーディングソリューション(Reading Solutions)」で最近発表されたものです
コミュニティの最新情報
インクルーシブ・パブリッシング・コミュニティに参加し、コンテンツがすべての人にアクセシブルであることを確認するお手伝いをお願いします。 皆様からのご意見やご経験談をお待ちしております。 インクルーシブ・パブリッシングに関する技術的な記事や技術的でない記事、業界ニュースやコメント、イベント情報や意見記事を歓迎いたします。
また、サイトの改善に関するご意見も歓迎いたします。このサイトをどのように活用できるか、ご意見をお寄せください。ご意見やご提案は、office@inclusivepublishing.orgまでお送りください。
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翻訳は以上になります。何かお気づきの点がございましたら、jdc★atdo.jp(★を@に変えてください)までご連絡ください。 K.K
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